Dear Chameleon #005

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Dear Chameleon,

 

chameleon from K

そのとき、ハンモックの紐が切れたかのように、急激な落下を感覚した。 私は悲鳴を上げた。落ちても落ちても砂地に墜落することはなかった。しばらく恐怖したあと、突如、落下の感覚がなくなった。さりとて急激に落下停止した感覚もなかった。しかも、自分がうつぶせなのかあおむけなのか、どちらが上でどちらが下なのかすらも分からなくなってしまった。
「どうなってるの」
私は夢中で尋ねた。拳を握りしめると、自分が手の平に汗をかいていることは分かった。

 

chameleon from N

中心をうばわれた空間は、同時に、上下逆転可能の存在である。上と下との、右と左との反転のほかには、なにごとも起こりはしない。すでに中身は追い出されてしまっていて、つかまるところももう戻ってくることはない。しかしそれは、心情が身体的にも精神的にも圧迫されることなく、両方の面にわたって活動する中間の気分を呼び起こす。すると、いつのまにか第三の、遊びと仮象の楽しい領域を作り上げてゆき、人間からあらゆる束縛を取り去り、およそ強制と呼ばれるようなことからは、身体的にも精神的にも解放する。
chameleon from Y

寝室の本棚にある本たちが旅をしたいと望むならば、わたしは彼らにいくらかの餞別をおくることも吝かではありません。アレクサンドリアに集められた本たちも、最初はきっとそうやって旅に出たのです。その旅に必要なのは、地図でしょうか、コンパスでしょうか、あるいは、あなたはその両方とも不要だと言うでしょうか。すべての感覚が闇の中でひとつに溶けるのであれば、今夜わたしが見る夢はヘレニズムの王たちが見た夢の何倍も野心に溢れたものとなるに違いありません。

Sincerely,

KEHAI-YA

 

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天命アーカイブ用_16

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